置きっ放しになっている私物が邪魔かなと思ったのと同僚さん達に直接会ってお話したいという思いから、母の運転する自転車の後ろに乗って職場へと向かった。
……が、あとほんの少しというところで家を出た瞬間から我慢していた吐き気が激しい発作へと変わり、「今日はもう行くのやめようか？」という母の言葉にぶんぶんと首を縦に振ってしまった。
家族がすぐ近くにいるのにどうしてこんなに苦しいのか不安なのか分からないと思ったが家へ戻るだけのことすらとにかく只管に怖くて怖くて気が狂いそうで、自転車を方向転換すると同時に履いていたミュールをぽんぽんと道路に脱ぎ捨ててしまった。
最近私はどういう理由からか激しい発作が起こると服や靴といったものを身に着けていることが耐え難い程の苦痛になる。
自転車とバッグを母に預け素足で帰路を歩きながら「もう無理するのやめよう、今まで頑張り過ぎた、もうやめよう」という言葉をかけられ大声で泣きたいと思ったが、やはりそこは泣けない私、「うん、うん」と頷くだけで涙を流すことが出来なかった。泣いたら多分楽になったのに。失敗。
口の中を潤す為にと途中で母親に自動販売機でミネラルウォーターを買って貰う際、静止していることが苦痛だった私は朝の09：00台であるにも関わらず素足を硬い道路にガンガンと打ち付けて水が与えられるのを待っていたのだが、帰宅後姉にその話をしたら「アンタ外見はきっちりしてて全く普通の人に見えるのに自動販売機の前で親に水買わせて、しかも待ちきれないから道路で足踏み鳴らすなんて、他人から見たら物凄い我儘娘やで。今日からしんどい時のあだ名はパリス（・ヒルトン）な」と笑われた。
……そりゃそーだ（道に唾吐くし：苦笑）。
いやいや、勿論やりたくてやってることじゃないんだけど。
そして色々な疲労感と罪悪感と不安感からかまた朝から晩まで食事が出来なくなった。口に入れてもすぐに吐き出してしまい呑み込むことが出来ないのだ。空腹感はあるのに。胸が苦しくて呑み込めない。
こんな生活が続いたらどうなるんだろう。本当に死んでしまうかも（その前に入院か）。どうしよう。また食事の仕方を忘れてしまった。
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