「一日が二十四時間では足りない。もっと時間があればいいのに」――これが、中学三年生頃からの私の口癖だった。
高校生の頃は朝早めに学校へと向かいホームルーム開始の直前まで友人達と楽しく過ごし、放課後は演劇部でハードに部活、その後は“姉二人が働いているのに自分だけ親から遊興費を受け取りたくない”という考えにより日曜日以外は20:00~22:00まで書店でアルバイト先へ走るという生活を(何と四月の上旬から)続けていた。
三年生から文芸部へと変わった為部活はハードではなくなったが、その代わりだとでも言うように同人活動がそこへ加わり、秋頃だったか、就職が内定し文化祭が終わりパニック発作がその猛威を揮い始めるまで私の人生は充実し過ぎていると言っても過言ではない程に充実しきっていたのである(実は精神疾患は幼少期からあったのだがこの頃になるまで深刻なものと自覚していなかった。パニック障害という病名が付いたのも卒業後自力で心療内科に通い始めてから数年を経て判明したもので、通院初期時はよくある自律神経失調症という病名を貰っていただけだったのだ)。
確かに私は自分の力量を過信し、身体を酷使し続けていたのかも知れない。が――……反省すべき点は素直に反省し自らに課しているノルマを減らしたとしても、あの頃のような人並みの生活にはもう戻れないのだろうか?
年齢のせいもあるのだろうが、一生このまま一進一退を繰り返し生きていくことになるのかと考えるとそれは相当苦しく辛いことに思えてならない。
努力で完治するものならいいのに。出来ることなら発作の記憶を脳から抹消して欲しい。
まともに働くことが出来さえすれば、このストレスも大きく減少するのだが……。
一年前の私は、多分一番幸せだった。
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