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戯言日記

背景のイメージにそぐわない下品な日記になることが予測されましたので思い切ってタイトルから宣言しておくことにしました。時には不快な文章があるかも知れませんが広い心で赦してね(笑)。/≪mixi≫等の要領で気軽にコメント下さいませ。宜しくお願い致します。 /昔の日記にコメントを入れても管理人には通知されるので御安心下さい。/コメントしたい日記のタイトルをクリックするとボックスが現れますので名前・題名・手紙(本文)・合言葉(パスワード)の四項目を埋めて送信ボタンを押して下さいね(パスワードは英数で。再編集時に必要になります)。 
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「とにかく私はキヨシに言った。私が言っている人を好きになるとは、そういうレヴェルの話だ。他人の痛みを自分の痛みに感じて、呼吸さえ苦しくなり、その悲しみと苦痛とで相手と自分との位置を確認し合うような、そういう種類の出来事だと。
 そうしたら、キヨシは考え込んだ。思うに、たぶん多少センチになったのだ。それまでの軽いおしゃべりが消えて、長い沈黙のあと、一度だけあると言った。もう今から二十年近くも昔のことで、アメリカから日本に引き揚げ、ものを考えながら暮らしていた頃のことだと。横浜のはずれの安いアパートにいて、読書だけをしながら、何もしないで過ごしていた。
 その時、一人の日本人と出遭ったと。まだ若い男で、記憶をなくし、ぼろぼろに傷ついていた。自分が誰だか解らず、習慣記憶をなくしているからどうやって生きていけばいいのかも不明で、女の問題でも悩んでいたし、それは、人間はこれ以上ひどくなれるものだろうかと思うくらいに参っていた。息も絶え絶えで、藁にもすがるようにして彼の部屋に飛び込んできたのだ。彼はぎりぎりの崖っぷちにいて、キヨシに救いを求めてきたんだ。
 彼を見た時、キヨシもまたひどく傷ついたと言った。青年は何もする力がなく、収入の道も、それを探す方法も思いつけず、しかも恐ろしい陰謀の道具にされていて、このまま放っておけば命にも関わった。だから事態の収拾いかんは、すべてキヨシの能力ひとつにかかっていた。彼が生きていくも死ぬも、すべてキヨシ一人の肩にかかったんだ。そのことに気づいた時、キヨシは使命に目覚めたと言った。それは天命にも似ていたと。
 その時の青年の、哀願するような目つきがたまらなかったとキヨシは言った。彼のなんともいえない弱々しい微笑みや、ドアを開く時、ソファにすわる時、ティーカップに手を伸ばす時でさえ、彼はいちいちキヨシの顔を見た。これでいいのかいというようにね。彼は赤ん坊とか盲人のように、手探りで人生を生きていて、絶えず誰かの手助けを必要としていた。
 キヨシははっきり言った。青年はとても清潔な顔をしていたと。たいてい白いワイシャツを着て、薄い胸が頼りなさそうに目の前で動いた。そして何かをするたびに哀願するような目が自分を見、そのたびにたまらない気分になった。その気分は穏やかなものなどでは到底なくて、ほとんどノックアウトを食らい続けるような痛みだった。あんなひどい気分は生まれてはじめてだった。助けてやらなければと、自分が命をかけてこの青年を助けてやらなければと思った。あの瞬間、自分は何かに目覚めた。言ってみればそれは、自分一人だけで気ままに生きていくんじゃなく、時には誰かを導いてやらなければならないという自覚だ。ぼくにはその使命があった。ハインリッヒ、これが君の言う例にあたるんだろうか、とキヨシは私に言った」
≪さらば遠い輝き≫より

昔書いていた研究文の打ち込みをしている最中にまた色々と突っ込みたいことが出てきたのでちょこっとこの辺りで独り言。

御手洗……やっぱアンタ思い込みが激しいだけじゃなくて思いっ切りマリンカリンかかってたんだな、この時(注:マリンカリン→PPG≪女神異聞録ペルソナ≫のステータス異常“魅了”状態のこと)。

って言うかこれ、真実とはニュアンス違うよね。微妙にかなり違うよね(笑)。

・自分が誰だか解らず、習慣記憶をなくしているからどうやって生きていけばいいのかも不明で、女の問題でも悩んでいたし、それは、人間はこれ以上ひどくなれるものだろうかと思うくらいに参っていた。
・いや、そこまで酷い状態じゃなかったし。女の問題では浮かれていた時期もあったわけだし。

・青年は何もする力がなく、収入の道も、それを探す方法も思いつけず、しかも恐ろしい陰謀の道具にされていて、このまま放っておけば命にも関わった。
・一応工場で働いてたし。ボーナスまで貰ってたし。

・息も絶え絶えで、藁にもすがるようにして彼の部屋に飛び込んできたのだ。彼はぎりぎりの崖っぷちにいて、キヨシに救いを求めてきたんだ。
・その“ぎりぎりの崖っぷちにいる彼”とやらは“占い師の方にしても、記憶喪失の男になぞめったにお目にかかれるものではないから、たぶんこっちは相当興味深い依頼人だろう。彼自身の勉強にもなるのではないか。”とか物凄い上から目線でほざいてましたし。

・彼のなんともいえない弱々しい微笑みや、ドアを開く時、ソファにすわる時、ティーカップに手を伸ばす時でさえ、彼はいちいちキヨシの顔を見た。これでいいのかいというようにね。
・恐らくこの“なんともいえない弱々しい微笑み”というのは“単なる苦笑い”だったのかも知れないと思う今日この頃……ドアの蝶番が外れそうとかソファがぼろぼろだとかコーヒーがまずいとか、彼の頭の中は随分と辛辣なものでしたよ?

・キヨシは使命に目覚めたと言った。それは天命にも似ていたと。
・助けてやらなければと、自分が命をかけてこの青年を助けてやらなければと思った。あの瞬間、自分は何かに目覚めた。言ってみればそれは、自分一人だけで気ままに生きていくんじゃなく、時には誰かを導いてやらなければならないという自覚だ。ぼくにはその使命があった。

・案外一目惚れで“もう結婚するしか……!”とか思い込むタイプなのかも。どこから指令受けてんだか分からん上に本当は違うものにも目醒めていやしないかと気になって仕方がない御石愛好家。

・キヨシははっきり言った。青年はとても清潔な顔をしていたと。たいてい白いワイシャツを着て、薄い胸が頼りなさそうに目の前で動いた。そして何かをするたびに哀願するような目が自分を見、そのたびにたまらない気分になった。その気分は穏やかなものなどでは到底なくて、ほとんどノックアウトを食らい続けるような痛みだった。あんなひどい気分は生まれてはじめてだった。
・この辺りは最早意味不明。関係ねぇよ、薄い胸!(苦笑)

あと漢字使いが“出逢った”ではなく“出遭った”になっている辺りも結構興味深いよね。
(書き手の作意かどうかは分からないけど)普通“出遭った”は“好ましくないことに遭遇する”という意味で使われることが多いのよ。
いや、これ私は寧ろそういう意味であって欲しい気持ちもあるんだけどね?
彼との邂逅って、御手洗にとっては本当に事故みたいなものだったんだろうからさ(笑)。

拍手[1回]

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▼ ぶはははは!

久し振りにパソコンの前で爆笑ですよ(笑)。
美桜さん、最高です!!
御石に目がくらんで突っ込んでませんでした、関西人やのに(笑)。
「弱々しい微笑み」のあたりはちょっと
「あれ・・・?」と思ったんですけどね、ははは。
「誘ったのについてきてくれなかった」
も勝手な思いこみだったしね、この人(笑)。
御手洗、面白すぎ・・・(笑)。
あ、拍手ありがとうございました。
ナカムラ様におねだりしてよかった~!

28a56417b5 真羽 || URL || 2007年 05月 05日 土曜日 || 編集
▽ ええっ
突っ込みませんでしたか? “再読時に”(私も一度目は茫然として突っ込めませんでしたけど。関西人のくせに)。
御手洗さん、意外と思い込みの激しいことが最近のあれこれから判明。
まぁ“もう電話はすまいと思う”の石岡君には負けますけどね(そんなんやからアンタ等いつまでも平行線なんや:笑)。
あ、私も本日ナカムラ様のところでキリ番踏ませていただいたんですよ。お忙しそうなのでのんびり待とうかなと思っているんですが……何描いて貰おうかなぁ……(ふふふふふ)。
藤宮美桜 || 2007年 06月 14日 木曜日

▼ 無題

私も「あの文章」を読んで、でマリンカリン喰らいました。
マハラギオンで焼かれて、逝って来ます。(スミマセン変な事書いて)
29f0040c6b usako || 2007年 05月 06日 日曜日 || 編集
▽ 初めて見た時は何事かと思いましたよね
途中から“自分の都合のいいように脳が勝手に本の上に文章を創り上げているんじゃないか”と半ば本気で疑いましたもの。“薄い胸”の辺りで。←しつこいな。
私もあの作品に関しては未だにマリンカリンかかってます。マハラギダインで焼かれて、逝ってきます(火炎系最大級)。
藤宮美桜 || 2007年 05月 06日 日曜日

▼ ヒットポンイント回復しなら~♪

私も、あの「文章」は、私の腐脳が変換した、のだと思いましたよ!『薄い胸・・・』
私も実は、躁鬱気質なので、躁状態の時は、
何を見ても麗しく感じます。さぞや、石岡君は、
御手洗にとって、麗しく狂おしい存在だった
のでしょう。
あの・・・怒らないで下さいね?実写化する
なら、石岡君は「堺雅人」で、どうでしょう?
9379355bbe usako usako || 2007年 05月 06日 日曜日 || 編集
▽ 傷薬~と、宝玉で♪
直接ブログへのコメントありがとうございます(申し訳ありません……。記入方法はHP等の掲示板と同じなんですけど、ここでは色の選択が出来るのと、あと“合言葉”というところにパスワードを設定しておけば後で内容の再編集や削除が行なえます)。
御手洗さん目線で見る石岡君は何だか妙に儚くてちょい色っぽくて読んでるこっちがイヤンってなっちゃいますよね。←なるな。
何か色々間違ってるとは思うんですが(笑)。
あ、いつもタナナさんとお話されているので知ってますけど、彼のあの“何とも言えない微笑み”はイメージ重なるの分かる気がしますよ。放っとけない感じしますもんねー、確かに。
藤宮美桜 || 2007年 05月 06日 日曜日

▼ 傷薬と~宝玉で~♪

申し訳御座いません。どこで、句読点を入れて良いのやら、わからず(すみません今もわかって、おりません)
「恋」とは事故の様なものですよ。でも「愛」は違いますね。
病です。。。御手洗氏、重病?レオナも泣きますわね。
石岡君だけ自覚症状が、無いだけに厄介ですねぇ。(天然もここまでくるとは・・・)

来週の土曜日はタナナ氏と、馬車道十番館で、スコッチなんぞ傾けたいと思っております。
どっちが、御手洗なのか?それは、ご想像にお任せ致します。
9379355bbe usako usako || 2007年 05月 06日 日曜日 || 編集
▽ ああ、成程
言われてみればそんな気がしますね。御手洗さんの感情って“恋”から“愛”に変化しているのかも。“愛”は病ですよ。そりゃもうレオナさんも砂の上で泣きますよね。そして石岡君の天然ぶりは“重罪”にございます(≪クロアチア人の手≫参照)。

ああ、馬車道十番館に行かれるんですかー。いいなぁ。
関西在住で身体の弱い私、横浜に行くなんて夢のまた夢なのですが、馬車道十番館も是非一度は行ってみたい憧れのお店です。コースターかナプキンだけでも欲しいわー(笑)。
藤宮美桜 || 2007年 05月 06日 日曜日
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≪月と星と妖精ダスト≫…現実世界とは異なりますが月の形が月齢により変化します。画面下部では夜の街並と煌めく妖精ダストも楽しめますよ/≪みんなで増やす花の絵風≫…電脳世界に咲く芸術的な花々にも癒されてみませんか?/≪四季の風景≫…色と組み合わせの異なる花を必ず最初に表示、その後少しずつ四季の風景へと変化していきます。ひらひら舞う蝶、トコトコ歩く天道虫、はらはら散る紅葉、キラキラ光る淡雪を御鑑賞下さい。カーソルを近付けると蝶や天道虫は逃げ、花は降ってくる仕掛けだそうです

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