しかしまぁアレだね。御手洗さんってのは凄いね。
“彼”を一目見たその瞬間から表情に緊張を走らせ大声で名を名乗り。
少し言葉を交わした後は椅子に倒れ込んで瞼を押さえ。
強引にコーヒーを淹れてはテーブルの上に砂糖を散ら撒き。
いきなり友人になりませんかと言いつつ大切なレコードを貸すなんて――
だからそれは
恋なんだってば。どう考えても。
だってこれ
好みの人が突然現れたことにビックリし思わずテンションが上がってしまい、
「えっ、何これ現実? えっ、夢か? どっちだ??」みたいな状態になって、
とりあえず帰らせない為に自分に思い付く限りのお饗しをした後、
こう言ったってことですよ?
↓
「ねぇ、僕と友達になろうよー」「ねぇねぇ、宝物貸してあげるからぁー」――そりゃあ返しに来てくれたらまた逢えますもんねぇ。次のを貸してあげればその後また逢えるしねぇ。そうしてお付き合いエンドレスを狙った潔。ふふん僕って頭いい!
……いや、こうして書いてると「お前は小学生かー!(笑)」って突っ込みたくもなるんですけどね。
だからそれはもう恋なんだってば。
また
頭の中が凄いよね。
清潔な顔に、薄い胸に、哀願するような目付きにノックアウトを喰らい続けていたという告白も凄いけど「彼と共に生きていかなければ!」「それが僕の天命だ!!」みたいに感じたことは
最早奇跡。
御手洗さん。……凄いね。
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