最近私のことを“美桜さん”とか“美桜”と表記して下さる方がいる。
些細なことだがこれは嬉しい。そうか、漢字にするとこんなにもイメージが変わるものだったのか。
実は私にはHPを立ち上げる寸前まで十年余りもの間使用してきたPNがあった。その名前が好きとかどうとかいう問題ではなく、それはもう既に私の一部になっているとしか思えない程慣れ親しんでいた名前だった。
しかしHP開設が実現しそうであると分かった時、念の為にその名で検索をかけてみたら意外な人物にヒットしてしまったのだ。それは自分と混同されるとややこしいことになりそうなパーソナリティーを持つ人物だった。
――この名前は使えないな。諦めざるを得なかったのである。
そして“オンライン用に新しい名を”と考え抜き“以前の名の印象を崩さないように”と創ったのがこの“藤宮美桜”という名前だ。
これは完成させ納得するまでに二日間もの時間を要した。
“出来れば他の人と同じ姓名にならないように”といつも筆名を考えるのだが、以前のものは(付けた当時はまぁ珍しかったのだが)今では極ありふれた名になっており、では今回は“少し変わった読み方をさせてみようか”と頭の片隅で考えてはいた。
だが名前を付ける作業というのは拘れば途方もない。好きな漢字が多数に存在する上にリミットも迫っている。さてどうするか。
散々悩んだ挙句“藤”と“美”だけは以前のまま残すこととなり、前後に好きな漢字を色々と組み直した結果、実は名の方は直前まで“美羽”でほぼ決定かというところまできていた。これで“みう”と読ませようと思ったのである。
だがこれは恐らく“みわ”と読まれてしまうだろう。好きな名だが自分のイメージではない。そもそもこの“羽”という文字が既に自分のイメージではない気がする。
そこで本当は“桜”という漢字が使いたかったということを思い出しもう一度候補に戻してみた。以前から私には“名前のイメージを藤色、若しくはそれに似た色にしたい”という妙な拘りがあった為“桜”という文字は桜色のイメージが強いという理由で候補から外していたのだが、この字、“美”と並べると何となく藤色な感じがしないでもないかなと思い直したのだ。青紫色の花を咲かせることもある“美女桜”からの連想である。
初めは“藤”と“桜”が同居しているのはおかしいかと思ったがまぁ元々好きな花なので敢えてそうしてもいいだろうかということになった。
しかしこの“美桜”をどう読ませるか……。
普通なら“みお”と読まれてしまうだろう。だがこれは甘ったるい響きが感じられて厭だった。では強引に“さくら”にするか。……私はそんな名で呼ばれるイメージではない。
でもこの組み合わせでは他に読み方がないのだ。また一からやり直しか、そう思った瞬間更に強引な考えが頭を掠めた。“おう”と読む字を“お”と読ませているのなら“う”とだけ読ませてもいいのではないか……(別に出生届を出すわけでもないんだし)。
“みう”なら今まで使用していた名である“みゆう”に近い。イメージも差程変わらない(←妥協)。
ずっと眺めている間にもうこれでいくか、という気になったのだった。
だから≪mixi≫でニックネームを“Miu”にしたのにも訳がある。
本当は“美桜”にしたかったがそれを敢えてしなかったのはこう表記して貰うと友人達がこの新しい名を“みお”と間違えて憶えてしまう可能性が強いと判断したからだ。読み方だけはどうしても正しく浸透させてしまいたかった。
ちなみに“みう”や“ミウ”にしなかった理由は甘ったるいイメージを消す為であり、“Miu”にした理由はこの方が文中に名が出ている時に目に付き易いと思ったからだ。
さて、大して面白くもない話を長々と語ってしまったが、十数年使い続けてきた名前と現在使っているこの名前、どちらが自分に合っているのかどちらを使うべきなのか分からない心境になってきている今日この頃――周囲の方々は一体どちらの名が相応しいと感じているのだろうか?
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