2004年11月13日から公開されていた映画の方に興味があり、2006年01月21日に文庫版の上下巻を購入した谷村志穂先生原作の≪海猫≫。
08月30日~09月09日まで十一日間かけようやく読了しました。
大抵ドラマや映画というものは原作と違うお話になっていることが多いので今回は先に基本を押さえておこうと思ったのです。
で、まずは原作の方の感想なのですが、こちらはなかなか面白かった。
文体も非常に読み易く、結構私好みの物語でした。
私は“兄弟萌え”なんですが、今回この作品に触れることで“兄弟が一人の女性(或いは男性)を巡って闘う”というパターンにも萌えるのだということを再認識。
要するに“兄弟間の愛憎劇”が好みであるらしいんですね(そうかー、だから私は笠井あゆみ先生の≪聖家族≫と紫菫先生の≪蛇苺≫が好きなんだ!:苦笑)。
この御本からは学ぶことも多数にあり、購入して正解だったなぁという感想を持ちました。悲恋もの、純愛ものに興味がある方にはお勧め。
さて、続いて09月09日に鑑賞した映画(DVD)の方の感想ですが、こちらは、うーん……残念な点がちらほらと。
まず一番気に入らなかったのは高山修介。主人公・野田薫の生んだ長女・野田美輝の恋人なのですが、何故原作では一二を争う好人物だった彼がこんなに狭量な男性に創り変えられてしまったのか。
誇り高く自信家であるという美輝の性格も繊細に描かれてしまっており、この二点はどうにも納得が出来なかったです(他にも薫の弟・孝志や姑・みさ子の性格も多少違ってはいたけれど、これはまぁ許容範囲)。
あと少し惜しいなと思ったところは、舞台に雪がなかったことと青いコンタクトレンズを使用していなかったこと。
これ、あるのとないのとでは絵的に随分と印象が違うはずなんですよね。
役者さんと雰囲気は決して悪くはなかったんですが……――でもまぁ二時間にまとめようと思ったらこのぐらいが妥当なのかな?
普通に観ればいい作品だと思いますよ。機会があれば是非御覧になってみて下さい。
あ、R指定だけどね(笑)。
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